▷ ページ8
⋆
「それじゃ、めめの誕生日を祝して」
「「かんぱーい」」
あれから数時間後ぐらいにめめから連絡がきて、お買い物中に予約していた美味しい焼肉屋さんで集合した。
楽屋から出て、めめに何を食べたいか聞くのをすっかり忘れてしまったため電話したら「今日は焼肉の気分かも」と笑いながら答えた。
この感じだといつか絶対にこのネタでいじってきそうなので、これ以上ボロを出さないように早めに電話は切っておいた。
まあ、些細なアクシデントはあったものの今日という目黒蓮の誕生日を無事祝うことができたので良かった。と一安心。
「どう？美味しい？」
目「ん！美味い！」
「んふふ、それは良かったです」
私も食べようとお肉を取って、白米の上にのせた時だった。
目「ねえ、なんで今日会いにきてくれたの？」
ご飯から視線をめめに移すと、めめは嬉しそうに笑っていた。
目「A、こういうのメールで済ませるタイプじゃん。楽屋に急に来た時は本当にびっくりしたんだから！笑」
そう言って無邪気に笑うめめを私はじっと見つめたあと「んー」と答えるのを少し躊躇った。
「まあ、今年はそういう気分だったの」
本当は毎年会ってお祝いしたい。
だって大切なメンバーであり、私の大事な友達でもあるんだから。
会って、「おめでとう」って言って、他愛のない会話でもして一緒に笑って過ごしたい。
でもめめと仕事の予定が合うことってあまり無いし、疲れていたらどうしようとか色々考えているうちに誕生日当日になって、何も用意できなかったからメールで済ませることが多くなってしまった。
だけど、私はそんなこと素直に言えない。だって照れ臭いし。
放置していたご飯と焼肉を口の中に入れた。
目「ほんと、素直じゃないんだから」
「なんのこと？」
目「本当は俺に会いたかったんでしょ？」
めめに自分の気持ちがバレそうで恥ずかしくて少し俯いていたのに、めめは私の視界に入っていたずらに笑った。
じわじわと頬が熱くなるのを感じる。
「自意識過剰か笑」
どう返そうか迷って咄嗟に出た言葉がこれ。
本当に可愛げがないと自分でもよくわかっているつもり。
ごめんね、めめ。
こんな可愛げのない友達で。
でもそんなめめは「ま、こうして会って2人でご飯食べれたからいっか」と言って2枚目の焼肉を大きな口で食べた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
