プロローグ ページ1
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前の収録が押しているとの事で少しだけ休憩が長引いた。
今日は夜まで収録だったり撮影だったりがあって帰りは深夜。
Aと過ごす時間が減っちゃうな…なんてしょげていたけど
その日はAから「大丈夫だよ。頑張ってね」
とメールが届いていた。
そんなこと言われたら頑張るしかないのに……
Aに何かしら送ろうとメールをかき始める。
「阿部さん。準備よろしくお願いします。」
『あ、はい。ありがとうございます。』
いい所だったのに。
まぁ、、仕事だし、仕方ないか。
Aと連絡することが出来ず、楽屋を後にする。
・
仕事があとひとつになって、もう少しで帰れると思っていた矢先、Aからの連絡とは別に何件も不在着信が入っていた。
何かと思いかけ直すと、○○病院です。と深刻そうに相手は話していた。
え?病院?
俺どこも悪くないんだけど…
人間ドック受けたのだって数ヶ月前のこと。
その結果も帰ってきて全然問題なかった。
だとしたら何故?どうして病院から電話がかかってくるのか。
『あの…どうなさいましたか?』
「えっと、、胡桃Aさんの親しい方でいらっしゃいますよね。」
『……はい。胡桃Aは僕の彼女ですが…彼女がどうしましたか?』
「胡桃さん、信号待ちをしていたところ、信号無視をしていた車に跳ねられて重体です。
先程手術が終わりまして、お話したいことがあるので1度病院に来て貰えませんか?」
『……え、?…なんかの冗談ですよね、、??』
「…冗談とかではなく早めに来ていただけると…」
『……っ…すぐ向かいます。』
Aが車に跳ねられた。
医者らしい人から伝えられた事実。
正直頭がついて行かなかった。
次の仕事のことも考えられなくて、マネージャーに心配されて、仕事が延期になった。
そして病院について先生から言われた言葉は
"記憶障害"
どうやらある程度のことは覚えているが、
直近、5年位の記憶が欠落しているらしい。
Aと俺が出会って4年目。付き合って2年目。
当然俺の名前も職業も性格も何一つ覚えていない。
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.
……ねぇ、神様。どうしてAなんですか…
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胡桃A
・25歳
・OL
・阿部亮平の彼女
・信号無視の車に跳ねられ記憶障害に陥る
阿部亮平
・25歳
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作者名:蒼空 | 作成日時:2024年3月25日 21時