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「怜美さんが、同じ業界で働く彼氏のような存在がいるって言ってたよ。それって翔太のことだよね?
ただのビジネスパートナーが、翔太くんなんて言わないよね?あんな大学の入り口で目立つところでさ。」
渡「だから、何もないって言ってんだろ?」
「じゃあ遅くまで帰ってこなかったこの1ヶ月以上、何してたわけ?」
渡「新しい店のことだよ、関係者と打ち合わせしたり店のレイアウト考えたり発注したり…いろいろあるんだよ
それなりに付き合いだってある。
お前には分かんねぇよ、経営者の忙しさは」
そう、私には分からない世界で生きているから。
だから、知りたかっただけ。
宮「ちょっとちょっと、落ち着いて2人とも。
言い合う声聞こえたから来てみたら…翔太、言い過ぎ」
「そうだよね、学生の私には全く分からない。
働いたこともないんだもん。経営者の仕事なんて分かるわけないし、本当に連絡する暇もないくらい忙しかったかもしれない。
私からのメッセージがうざったいのかもしれない。
でも……分かんないから、言ってほしかった。
声が聞きたかっただけ、顔が見たかっただけ…彼女ってそういうことじゃないの?私は翔太の何だったの?
このままじゃ私たち、わか…」
渡「それ以上言ったら怒るって言ったよな」
「じゃあ何?…社会にも出たことない私には話せないんだよね?理解できっこないもんね。
舘さん、ごめんなさい…。大きな声出しちゃって。
また実習新たな段階で始まるので、しばらくは…菜月のところ行きます。ごめんなさい。おやすみなさい」
宮「Aちゃん、」
渡「待てよ、まだ話終わってない」
翔太は部屋に行こうとした私の腕を強く掴んだ。
「離して。これ以上、何を話すの?
今まで何も言ってこなかったくせに、今度は言い訳並べるつもり?
…私、霧島ホールディングスとのタイアップ企画抱えてるの。将来にも響くし、大事な実習だから絶対に余計なこと言わないで」
渡「俺と霧島ホールディングスとは、ただのビジネスパートナーだって。」
「分かったよ、新しくお店オープンするんだもんね、私には分からないけどまだまだ忙しいんでしょ?
それと、社長だけなら分かるけど奥さんもその娘である怜美さんも一緒に食事するって、しかも高級レストラン。
私からしたら縁談の何者でもないんだけど?
……じゃあね」
掴まれた腕を振りほどいて、扉を壊れるんじゃないかと思うくらいの大きな音で閉めた。
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のりぞー(プロフ) - えええーーーー!!Σ(Д゚;/)/なんだか、悲しい…すごく続きが気になりますが、すでに泣きそうで…(>_<)更新、楽しみにしています。 (3月26日 20時) (レス) @page50 id: d71bdacb2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2024年2月12日 22時