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らうーるのおはなし。 ページ12




ラウール、16歳。高校2年生。

僕が車椅子を手放せなくなったのは今から3年前、中学2年生の時。

僕は親の顔を知らない。

__捨てられたから。

親の情報は父親がベネズエラの人で母親が日本人だってことだけ。

物心ついたときから施設にいたから僕の親は施設長。

小学生の頃はハーフが物珍しかったのか、
クラスの人気者だった。

でも中学に入ると状況は一変したんだ。

それは施設育ちがバレたから。

本当に仲の良い数人しか知らないはずの情報がクラス中、いや学校中に広まった。

裏切られたんだ。

学校の番長的存在のやつに体育館裏に呼び出されてバカにされて、殴られて…

散々だ。

僕は悪くないのに。

悪いのは僕を捨てた親。

信用していた小学校からの友達も番長には逆らえないからと僕を避けるようになった。

先生にも相談したけど相手にして貰えない。

理由は施設で育った子供だから。

僕だって出来るもんなら普通の家庭で育ちたかったよ。

でもそういう運命になってしまった以上仕方がないじゃん。


___ 僕が生きてる意味はあるの?

___ 存在している意味は何?


イジメがエスカレートしていくうちにそう考える日が増えた。

施設長はすごく優しくて、何でも相談してって言ってくれるんだけど、
逆にその優しさが邪魔をして、言い出せなかった。
悲しませたくなかった。

ひとりでずっと抱え込んで、辛くなって。


その結果が飛び降りだった。


苦しみから解放されるなら…

そう思って3階建ての学校の屋上から身を乗り出した。







でも、この世から消えることは出来なかった。

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塩麹 - 面白かったです。話の続きが読みたいです。頑張ってください。 (2021年7月10日 21時) (レス) id: db16e507d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆぴ | 作者ホームページ:http://yupinoohanashi  
作成日時:2021年6月23日 23時

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