検索窓
今日:84 hit、昨日:72 hit、合計:644,302 hit

あべのおはなし。 ページ16





俺は小さい頃から音に敏感だった。


聴覚過敏っていわれるやつ。


幼稚園に通ってる時が1番酷くて、

子供の鳴き声や騒ぎ声がダメだから
まともに通えなかった。


小学生になってからは幼稚園ほど酷くなかったけど、

治るものじゃないから辛くなったら直ぐに保健室へ。


こんな障害を抱えていても勉強は出来たから中学受験して難関と言われるところへ進学した。

中学でも保健室通いは減らなくて、

授業中抜けるとか1時間丸々休むとかざらにあった。

それでもテストはできた。

だから

先生から答え聞いてんだろ とか

ずるいことしてんだろ とか

罵声を浴びることは多々あった。


ただの会話でも苦痛なのに、

その罵声も音として苦痛を感じて

耳の奥が痛くて、頭痛くなる。

耳栓をして聞こえないようにしてたけど、

その罵声で加わったストレスのせいで

もっと敏感になってしまった俺は

イヤーマフが手放せなくなった。

時計の針が動く音も

先生が授業をしている声でさえも

俺の耳は受け付けなかった。


教科書を人一倍読み込んで自分で理解して

高校に進学した。

高校では俺の聴覚過敏の理解がある人が多くてわりかし仲良くできる友達が増えた。


おかげでストレスが減って会話や先生の声の程度であれば体調を崩すことはなくなった。


でもあの日を境に俺は体調が優れない日がまた増えてしまったんだ。

ある日、クラスメイトが些細なことで喧嘩をしたらしい。

普段イヤーマフをして音を遮断している俺は、
教室の対角線上で喧嘩している声など本を読んで集中していたせいもあってそれほど聞こえなかった。

だから気づかなくてイヤーマフを外してしまった。


その時だった。

片方が相手を突き飛ばした反動で机が思いっきり倒れて「ドーン!」という音が教室中に響いた。

イヤーマフをしていない俺の耳には音がストレートにぶち込まれてキーンと耳鳴りがして咄嗟に耳を抑えたけど
直後に目眩、頭痛に襲われて…



気づいたらベッドの上。


友達が倒れた俺を保健室まで運んでくれたらしい。

そこから体調は下り坂。


保健室登校が増えたけど

友達の助けもあって単位ギリギリで進級、卒業。

そして大学進学まで果たした。

あべのおはなし。2→←さくまのおはなし。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (398 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1948人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 病系 , 障害系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

塩麹 - 面白かったです。話の続きが読みたいです。頑張ってください。 (2021年7月10日 21時) (レス) id: db16e507d4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆぴ | 作者ホームページ:http://yupinoohanashi  
作成日時:2021年6月23日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。