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あべのおはなし。2 ページ17




康二と出会ったのは この頃かな?

俺が大学1年でまだ康二は高校生。

大学病院の待合室で順番を待ってたとき、

たまたま隣に座ったのが康二だった。


看「受付番号62番 向井康二さん第1診察室にお入りください。」


アナウンスがあったけど、

誰も診察室に向かおうとする患者はいなかった。

ふと隣に座った同年代の男の子の手に持つ受付票を見ると

「62」

と書かれていた。

耳鼻科だし、聞こえてないのかも。

そう思って肩をトントンと叩くとびっくりしたようにこちらに顔を向けた。


「62番、呼ばれてますよ」

「…?」


やっぱり聞こえてなかった。

だからゆっくり口を動かした。

「ろくじゅうに、」と言った後に診察室を指さした。

すると気づいたのか、はっとした表情でおもむろに立ち上がり、ペコッとお辞儀をして診察室に向かった。


その後すぐに俺も呼ばれて診察室へ。

診察を終えるとさっきの男の子も終わったらしく、

会計待ちの待合室でばったり会った。

ニコニコしながらこっちに近づいてきて

「さっきはありがとうございました」

とまたお辞儀。


「俺、もともと耳悪かったんですけど、最近急に聞こえへんくなってしまって。だから今日病院来たんです。」


そうだったんだ。
よく見ると左耳には補聴器が付けられていた。


そこから俺はスマホで文字を打ち込んで会話を続けているうちに仲良くなった。

歳も近かったし、

診察時間が同じ日はその日のように話すようになった。


それから1年くらいはちょこちょこ会ってたけど

俺が診察の回数減ってから会う機会も減って

事務所で再会したときは2年ぶりくらいに会ったのかな。

知らない環境にぽんと投げ出されるようなイメージを抱いていたせいでストレスが増えるって思ってたけど

康二のおかげで少しだけ安心感を覚えた。

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塩麹 - 面白かったです。話の続きが読みたいです。頑張ってください。 (2021年7月10日 21時) (レス) id: db16e507d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆぴ | 作者ホームページ:http://yupinoohanashi  
作成日時:2021年6月23日 23時

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