俺の耳。3 ページ46
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橙side
突発性難聴の薬が無くなった頃、
また病院に行った。
橙「先生、俺…
手術受けます。人工内耳の。」
諦めが付いたのもあるし、
何より阿部ちゃんが言ってくれた言葉に救われた。
それにみんなの明るい笑い声が聞きたかってん。
先生と相談して
手術は3ヶ月後に決まった。
術前検査とかあるらしい。
長いようで短い3ヶ月。
Tシャツ1枚で過ごしていた季節が
コートを着ないと過ごせない季節になった。
外を歩いて息を吐くと白い息が出る12月。
街の中はクリスマスムードに包まれている。
手術の2日前、今日から入院。
2週間くらい入院せなあかん。
寂しいなぁ、
寝る前佐久間くんに会えないやん。
桃「いや、そこかい笑」
橙「佐久間くんやってそうやろ?寂しいやん!!」
黄「まぁ毎日誰かしらは来るから笑」
こうやってスマホの画面を通して会話するのもなくなるんかなって思うと少し楽しみではある。
黄「じゃあな、また来るから!」
桃「ばいばーい!」
完全に1人になってしまった病室
そして補聴器をしても俺の耳に届かない音。
まさに静寂。
ナーバスな気持ちを抱えて眠りについた。
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塩麹 - 面白かったです。話の続きが読みたいです。頑張ってください。 (2021年7月10日 21時) (レス) id: db16e507d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆぴ | 作者ホームページ:http://yupinoohanashi
作成日時:2021年6月23日 23時